千葉県旭市は東日本大震災によって死者・行方不明者15名という大きな被害を受けた。この映画は、特に被害が大きかった飯岡地区でヨガを始めた女性を一年間追いかけたドキュメンタリー作品である。
彼女の名はゆふがほきらら。4人の子を持つシングルマザーでヨガ講師。舞踏家でもある彼女は毎年春と初冬に彼女の住む神奈川県秦野市の自然を背景に踊る。きららは飯岡でも「白蛇伝」を踊った。が、大好評のヨガと違ってその前衛的な表現は彼らの心にストレートには届かない。
ヨガ教室を毎月重ねるうちに、地元の支援グループ内に不協和音が生じた。きららは対立に心を痛め、話し合いの席で涙ながらに訴えかける。
きららは「つぶ」という言葉をよく使う。「つぶ」が動き、「つぶ」を貰うことが、彼女の舞踏、ヨガ、支援活動すべての楽しさだという。「つぶ」とはいったい何だろう。
4月、秦野の八重桜を背にきららが踊る。そこには飯岡の人々の顔があった。